請求書カード払いとは、取引先への振込をクレジットカードで支払い、カードの引き落とし日まで最大60日ほど支払いを延ばせるサービスです。取引先は通常の振込で代金を受け取ります。
「取引先への支払いが、売上の入金より先に来てしまう」「振込で払うしかない請求書を、カードで払えないだろうか」。そんな悩みを持つ経営者や経理担当者の方に知られ始めているのが、請求書カード払いです。
本記事では、請求書カード払いの仕組みと流れ、メリットとデメリット、手数料の目安や仕訳、実際の使い方までをわかりやすく解説します。BPSPやファクタリングとの違いもあわせて整理しますので、導入を検討する際の参考にしてください。
請求書カード払いとは取引先への振込をカードで払えるサービス
請求書カード払いとは、取引先から届いた請求書の代金を、クレジットカードで支払えるようにするサービスです。本来は銀行振込で払う外注費や仕入代金、家賃などを、サービス会社がいったん立て替えて取引先の口座へ振り込みます。
利用者(支払う側)は、立て替えてもらった金額に手数料を加えた額を、カードの引き落とし日にカード会社へ支払います。つまり、現金が口座から出ていくタイミングを、カードの引き落とし日まで後ろへずらせる仕組みです。
取引先から見ると、サービス会社から通常の振込で代金が届くだけです。取引先がカード決済に対応していなくても使える点が、ふつうのカード払いとの大きな違いといえます。取引先に専用の端末や新しい契約を求める必要もありません。
支払う側にとっては、手元の現金を減らさずに、期日どおり取引先へ代金を届けられる点が大きな利点です。売上の入金を待つ間のつなぎとして、中小企業や個人事業主を中心に使われ始めています。
BPSPは事業者の総称で請求書カード払いは代表的なサービス
請求書カード払いを調べると、「BPSP」という言葉を目にすることがあります。BPSPはBusiness Payment Solution Providerの略で、企業間の支払いをカード決済につなぐ事業者や、そのサービス全体を指す言葉です。
請求書カード払いは、BPSPが提供するサービスの代表的な形です。BPSPが「業界や事業者の呼び名」、請求書カード払いが「利用者から見たサービスの中身」と考えると整理しやすいでしょう。
BPSPという呼び名は、カード会社や決済代行会社、フィンテック企業など、提供する会社の種類を問わず使われます。そのため、同じ請求書カード払いでも、手数料や対象となる支払い、使えるカードのブランドは提供する会社ごとに異なります。
利用者にとって大切なのは、呼び名の違いよりも、自社の支払いに使えるかどうかです。サービスの紹介でBPSPという言葉が出てきたら、請求書カード払いと同じ種類のサービスを指していると考えてよいでしょう。
銀行振込・口座振替・請求書払いと違い支払いを後ろへ延ばせる
企業間の支払いには、銀行振込のほか口座振替や請求書払いなどがあり、お金が出ていくタイミングや手間がそれぞれ異なります。主な支払い方法と請求書カード払いを比べると、次のとおりです。
| 支払い方法 | 支払いのしかた | お金が口座から出る日 | 主な費用 | 支払いを延ばせるか |
|---|---|---|---|---|
| 銀行振込 | 支払う側がその都度振り込む | 振込をした日 | 振込手数料 | できない |
| 口座振替 | 決まった日に口座から自動で引き落とす | あらかじめ決めた引き落とし日 | 振替の手数料(負担者は契約による) | できない |
| 請求書払い | 請求書を受け取り、期日までに振り込む | 支払期日までに振り込んだ日 | 振込手数料 | 期日の範囲内でのみ |
| 請求書カード払い | 請求書の代金をカードで決済する | カードの引き落とし日 | サービスの決済手数料 | 最大60日ほど延ばせる |
請求書払いも「後払い」の取引ですが、期日が来れば現金で払わなければなりません。請求書カード払いは、その期日の支払いをカードに置き換え、現金が出ていく日をさらに先へ延ばせる点が異なります。
銀行振込や口座振替は、支払う日に口座の残高があることが前提です。残高が足りなければ、振込ができなかったり引き落としができなかったりして、取引先からの信用にも関わります。
請求書カード払いなら、取引先への支払いは期日までに済ませたうえで、口座から現金が出る日だけをカードの引き落とし日まで後ろへずらせます。取引先と支払い条件を交渉し直さなくても、自社の側で支払いの時期を調整できる点が、ほかの支払い方法にない特徴です。
請求書カード払いの仕組みはサービス会社が振込を立て替える形
請求書カード払いは、利用者・サービス会社・取引先・カード会社の4者で成り立っています。一般的な流れは、次の4ステップです。
- 取引先が請求書を発行する:取引先が、金額・支払期日・振込先を記載した請求書を利用者に送る。
- 利用者が請求書を登録してカードで決済する:利用者が、請求書の金額と振込先をサービスに登録し、クレジットカードで決済する。
- サービス会社が取引先へ振り込む:サービス会社が代金を立て替え、取引先の口座へ銀行振込で支払う。
- カード会社が代金を引き落とす:カード会社が、請求金額と手数料の合計を、カードの引き落とし日に利用者の口座から引き落とす。
利用者の作業は、ステップ2の登録と決済だけです。取引先は、ふだんの振込と同じように入金を確かめれば済みます。経理の流れを大きく変えずに始められるのも、請求書カード払いの使いやすさといえるでしょう。
利用者とカード会社の間はふつうのカード払いと同じで、取引先が受け取るのは通常の銀行振込です。サービス会社がその間に入ることで、カード払いと振込がつながる仕組みになっています。
カードの締め日と引き落とし日の差で支払いを最大60日延ばせる
支払いを延ばせるのは、カードの「締め日」と「引き落とし日」の間に時間差があるためです。カードで払った代金は締め日までの利用分がまとめて計算され、翌月以降の決まった日に引き落とされます。
たとえば、月末締め・翌月27日引き落としのカードで考えてみましょう。
- 10月1日にカードで決済した場合:引き落としは11月27日で、約57日後
- 10月31日にカードで決済した場合:引き落としは同じ11月27日で、約27日後
このように、締め日の直後に決済するほど、引き落としまでの期間は長くなります。取引先への支払期日と自社のカードの締め日を見比べて、決済する日を決めるとよいでしょう。
ただし、締め日と引き落とし日はカードごとに異なります。延ばせるのは「最大60日ほど」で、どの支払いも60日延びるわけではありません。使う前に、自社のカードの締め日を確認しておきましょう。
取引先には通常の振込で届き名義の違いだけ伝えておけば安心
請求書カード払いでは、取引先の口座にはサービス会社から振込で代金が届きます。取引先がカード決済の手続きをすることはなく、手数料を取引先の負担にしない限り、入金額も請求金額どおりです。
ただし、振込の名義はサービス会社や決済代行会社の名前になることがあります。自社の名前で届くと思っている取引先は、見慣れない名義の入金に戸惑うかもしれません。名義の表示はサービスによって異なるため、事前に確かめておくと安心です。
取引先との契約や支払い条件も、これまでどおりです。支払期日や請求書の形式を変えてもらう必要はなく、自社の側だけで使い始められます。ただし、手数料を取引先の負担にできるサービスでそれを選ぶ場合は、入金額が変わるため事前の相談が欠かせません。
請求書カード払いは、隠さなければならない支払い方法ではありません。入金の消し込みで取引先を迷わせないよう、初めて使うときに「今回からこの名義で振り込まれます」と一言伝えておけば、行き違いを防げます。
請求書カード払いのメリットは資金繰りと事務が楽になること
請求書カード払いには、資金繰りの面だけでなく、事務の面でもメリットがあります。主なものは次の4つです。
- 資金繰りに余裕ができる
- 借入にならず、審査の負担が軽い
- カードのポイントが貯まる
- 振込の手間をまとめられる
なかでも大きいのは、資金繰りへの効果です。融資のように借りたお金を返していく必要はなく、ふだんの支払いをカードに置き換えるだけで、現金が出ていく日を後ろへずらせます。決算書の借入も増えません。
事務の面では、取引先ごとの振込の手続きを減らせるうえ、支払いの記録がサービスの管理画面にまとまります。ポイントが貯まるカードを使えば、還元分で手数料の一部を取り戻せることもあるでしょう。
どのメリットが大きいかは、会社の支払いの金額や件数、使うカードによって変わります。自社に当てはまるものを考えながら、それぞれの中身を見ていきましょう。
支払いを先へ送れるので売掛金の入金まで手元の現金を残せる
最大のメリットは、手元の現金を長く残し、資金繰りに余裕を持たせられることです。売上の入金より先に仕入や外注費の支払いが来ると、帳簿上は黒字でも現金が足りなくなることがあります。
請求書カード払いを使えば、支払いを最大60日ほど先へ送り、その間に売掛金の入金を待てます。支払いと入金のずれを埋められるため、急な出費や季節による売上の落ち込みにも対応しやすくなるでしょう。
たとえば、月末に仕入代金の支払いがあり、売掛金の入金が翌月末になる場合、支払いをカードの引き落とし日まで送れば、入金を待ってから精算できます。手元の現金を取り崩さずに済むため、ほかの急な支払いに備える余裕も残せます。
現金が尽きて支払いができなくなる「資金ショート」は、黒字の会社でも起こり得ます。支払いの時期を調整できる請求書カード払いは、その備えのひとつになるでしょう。
借入にならないため決算書の借入が増えず審査の負担も軽い
請求書カード払いは、カードで支払うだけで、銀行からお金を借りるわけではありません。カード会社への支払いは未払金として扱い、借入金にはならないため、決算書の借入の額は増えません。
審査の負担も、融資に比べると軽めです。融資では決算書や事業計画の提出、面談などが求められ、結果が出るまで数週間かかることも珍しくありません。請求書カード払いはオンラインで申し込めるサービスが多く、ゆとりペイの場合、法人は書類を出さずに申し込めます。
金融機関は融資の審査で、決算書の借入の額や返済の状況を見ます。短いつなぎの資金まで借入に頼らずに済めば、設備投資など本当に資金が必要なときの融資に備えやすくなります。
とはいえ、審査がまったくないわけではありません。サービス会社による利用者の審査があり、使える金額もカードの利用枠の範囲に限られます。融資の代わりというより、支払いの時期を調整する道具と考えるのが適切です。
カードのポイントが貯まり還元分で手数料の負担を減らせる
請求書カード払いはカードでの決済なので、通常の買い物と同じようにカードのポイントやマイルが貯まるのが一般的です。仕入や外注費など金額の大きい支払いをカードにまとめれば、貯まるポイントも大きくなります。
たとえば100万円をポイント還元率1%のカードで払うと、1万円分のポイントになります。ゆとりペイの手数料2.9%(29,000円)と差し引きすれば、実質の負担は1.9%ほどまで下がる計算です。
一方で、カードによっては、こうした決済をポイントの対象外としていたり、還元率を下げていたりする場合があります。ポイントを目当てに使うなら、カード会社の規約やポイントの条件を前もって確かめておきましょう。
ポイントの使い道もあわせて確かめておきたい点です。カードによっては、貯めたポイントをカードの請求額に充てたり、マイルに換えたりできます。会社のカードで貯めたポイントは、社内の決まりに沿って管理しましょう。
複数の振込をカードの引き落とし1回にまとめて手間を減らせる
銀行振込では、支払いのたびに振込先を入力して手続きする必要があります。取引先が多い会社ほど、月末の振込作業は経理の大きな負担になりがちです。振込先の入力ミスや、払い忘れが起きやすいのも悩みどころでしょう。
請求書カード払いを使うと、複数の支払いをカードの引き落としにまとめられます。口座から出ていくお金はカード会社への1回の引き落としになるため、入出金の管理もすっきりするでしょう。
費用の面では、取引先ごとにかかっていた銀行の振込手数料の代わりに、サービスの決済手数料がかかります。どちらが安くなるかは支払いの金額と件数によるため、まとめる前に両方を比べておくとよいでしょう。
さらに、サービスの管理画面に支払いの履歴が残るので、いつ・誰に・いくら払ったかを後から確かめやすくなります。決済の記録をPDFなどで保存できるサービスもあり、経理のチェックや監査の準備にも役立ちます。
請求書カード払いのデメリットは手数料と利用枠などの制限
便利な一方で、請求書カード払いには費用や使える範囲の制限もあります。使う前に、次の4点を確認しておきましょう。
- 手数料がかかる
- カードの利用枠までしか払えない
- 使えない支払いがある
- 毎月使い続けると手数料が重くなる
なかでも注意したいのが手数料です。請求書カード払いは借入ではないため利息はかかりませんが、支払いのたびに決済手数料がかかり、使う回数や金額が増えるほど負担も大きくなります。
また、カードの利用枠や対象外の支払いといった制限は、いざ使おうとしたときに初めて気づくことが少なくありません。支払期日の直前になって使えないと分かると、ほかの方法で資金を用意するのが間に合わないおそれもあります。
これらは、前もって知っていれば避けられるものがほとんどです。費用と制限を把握したうえで、自社の支払いに合うかを判断しましょう。
支払いのたびに請求金額の2〜4%ほどの決済手数料がかかる
請求書カード払いでは、支払いのたびに決済手数料がかかります。手数料の率はサービスごとに異なり、おおむね請求金額の2〜4%ほどです。
計算例として、100万円の請求書を手数料2.9%のゆとりペイで払う場合を見てみましょう。
- 請求金額:1,000,000円
- 手数料:1,000,000円×2.9%=29,000円
- カードの引き落とし額:1,029,000円
金額が小さい支払いでは、最低手数料にも注意が必要です。ゆとりペイの最低手数料は1請求あたり990円で、請求金額が34,138円以下のときはこの990円がかかります。少額の請求を何件も払うと、手数料の割合が高くなりやすいでしょう。
手数料の負担を抑えるには、すべての支払いに使うのではなく、資金が足りない月の大きな支払いに絞って使うのが効果的です。少額の支払いはふだんどおり振込で払い、カードに回す支払いを選ぶと、手数料の総額を抑えられます。
払える金額はカードの利用枠までで大きな支払いは枠に注意
請求書カード払いで使える金額は、カードの利用枠(ショッピング枠)の範囲までです。利用枠が100万円のカードで、ほかの買い物にすでに30万円使っていれば、払えるのは残りの70万円までとなります。
企業間の支払いは金額が大きくなりやすく、1回の支払いで枠の大半を使ってしまうこともあります。枠が埋まると、出張費や広告費といったほかのカード払いにも支障が出かねません。
対策としては、次のような方法があります。
- カード会社に一時的な増枠を相談する
- 支払いを複数のカードに分ける
- 金額の大きい支払いだけを請求書カード払いに回す
増枠には審査があり、すぐに認められるとは限りません。大きな支払いが見込まれる月は、早めにカード会社へ相談しておくと安心です。
利用枠の残りは、カード会社の会員サイトやアプリで確かめられることが多いです。決済の前に、残りの枠と次の締め日までのほかのカード払いの予定を見ておけば、決済が通らずに慌てる事態を防げます。
税金や海外への送金など請求書カード払いで使えない支払いもある
請求書があれば何でも払えるわけではなく、サービスごとに対象外の支払いが決まっています。ゆとりペイの場合、主に次の支払いには使えません。
- 法人税などの税金の納付
- 海外の口座への支払い
- 適格請求書発行事業者の登録がない個人事業主への支払い
- 事業に関係しない私的な支払い
社会保険料と労働保険料は、ゆとりペイなら法人に限って支払えます。ただし社会保険料は、納付書による納付が対象です。
使えるカードのブランドにも制限があります。ゆとりペイで使えるのはVISA・Mastercard・JCB・セゾンカードで、アメリカン・エキスプレスはクレディセゾン発行のものに限られます。ダイナースクラブや海外で発行されたカードは使えません。対象の範囲はサービスによって異なるため、申し込む前に公式サイトで確かめておくと確実です。
対象になるか判断に迷う請求書があれば、支払期日に余裕のあるうちにサービスの窓口へ問い合わせておきましょう。
毎月使い続けると手数料が積み重なるため一時的なつなぎに使う
請求書カード払いは、一時的な資金のずれを埋めるには便利な方法です。ただ、毎月の支払いをいつもカードへ回していると、手数料が積み重なっていきます。
毎月100万円を手数料2.9%で払い続けた場合、1年間の手数料は29,000円×12か月で348,000円です。粗利の薄い業種では、この負担が利益を大きく削りかねません。
また、支払いを先送りしただけで、払う金額そのものが減るわけではない点にも注意が必要です。引き落とし日に口座の残高が足りなければ、カードの延滞につながります。請求書カード払いは「入金までのつなぎ」と位置づけ、売上の回収を早める、支払い条件を見直すといった根本的な対策とあわせて使いましょう。
使い続けるかどうかは、毎月の手数料の合計を、ほかの資金調達の方法を使った場合の費用と比べると判断しやすくなります。毎月使う状態が続くようなら、資金繰りそのものを見直す合図と考えましょう。
請求書カード払いの手数料は2〜4%で勘定科目は支払手数料
請求書カード払いの手数料は、サービスごとに決まった率を請求金額にかけて計算します。率はおおむね2〜4%ほどで、金額の小さい支払いには最低手数料や一律の手数料を設けているサービスが多くなっています。
手数料の表示が税別か非課税かも、サービスによって分かれます。同じ率に見えても、消費税がかかるかどうかで実際の負担は変わり、会計処理での消費税の扱いも異なります。
負担を正しく比べるには、率だけを見るのではなく、自社がよく払う金額で実際にいくらかかるかを計算してみることが大切です。少額の支払いが多いか、大きな支払いが中心かによって、有利なサービスは変わります。
また、手数料は費用として帳簿に記録する必要があります。カードで払った代金と手数料をどの勘定科目で処理するかを決めておけば、毎月の経理も迷わず進められます。ここでは、主なサービスの手数料と、会計処理での扱いを紹介します。
主なサービスの手数料は2.5〜4%で最低手数料にも差がある
主な請求書カード払いサービスの手数料は、次のとおりです(2026年10月時点)。
| サービス名 | 決済手数料 | 少額のときの手数料 | 支払い延長 | 社会保険料 |
|---|---|---|---|---|
| ゆとりペイ | 2.9%(非課税) | 最低990円 | 最大60日 | 法人のみ対応 |
| マネーフォワード 請求書カード払い | 2.7%(税別) | 10万円以下は一律3,000円(税別) | 最大60日 | 非対応 |
| LP 請求書カード払い | 2.95%(税別) | 最低600円 | 最大60日 | 法人のみ対応 |
| NISSENREN 請求書カード払い | 2.9%(非課税) | 最低680円(非課税) | 最大60日 | 法人のみ対応 |
| 支払い.com | 4.0% | − | 最大60日 | 法人のみ対応 |
| 三井住友カード 請求書カード払い | 3.0% | 1万円未満は一律300円 | 最大60日 | 対応 |
| 弥生 請求書カード払い | 2.5〜3.5% | 最低390円 | 最大60日 | 法人のみ対応 |
手数料は、税別か非課税かで実際の負担額が変わります。たとえば税別2.7%なら、消費税を含めると2.97%です。料率だけでなく、少額のときの手数料や使えるカードもあわせて比べましょう。
表のとおり、決済手数料の率には大きな差がなくても、少額のときの扱いは各社で大きく異なります。1回の支払いが小さい会社は最低手数料の低いサービス、大きな支払いが多い会社は率の低いサービスが向いています。
支払い延長はどのサービスも最大60日で、実際に延ばせる期間は使うカードの締め日と引き落とし日で決まります。社会保険料の納付に使いたい場合は、対応しているかどうかも欠かせない比較の点です。
※「−」は公式サイトで条件が公開されていない、または条件により異なる項目です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
手数料は支払手数料で処理しカード代金は未払金で計上する
請求書カード払いの手数料は、一般に「支払手数料」の勘定科目で処理します。100万円の買掛金を手数料2.9%(29,000円)で払った場合の仕訳例は、次のとおりです。
| タイミング | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| カードで決済したとき | 買掛金 1,000,000円 支払手数料 29,000円 | 未払金 1,029,000円 |
| カード代金が引き落とされたとき | 未払金 1,029,000円 | 普通預金 1,029,000円 |
カードで決済した時点で取引先への支払いは済むため、買掛金を消し、カード会社に払う分を未払金として計上します。
仕訳をするのは、カードで決済した日と、カード代金が引き落とされた日の2回です。決済した日に取引先への支払いが、引き落とされた日にカード会社への支払いが済むと考えると、未払金の動きが分かりやすくなります。サービスの管理画面に残る決済の記録やカードの利用明細は、仕訳の根拠として保存しておきましょう。
ゆとりペイの手数料は非課税なので、消費税の仕入税額控除の対象にはなりません。税別表示のサービスでは手数料に消費税がかかるため、課税仕入として扱います。実際の処理は、顧問税理士に確認しておくと安心です。
請求書カード払いは入金と支払いの時期がずれる場面に向く
請求書カード払いが力を発揮するのは、お金が入ってくる時期と出ていく時期がずれる場面です。売上が順調でも、入金が支払いより後になると、その間の現金が足りなくなります。
こうしたずれは、取引の条件や業種の特徴によって毎月のように起こることもあれば、大口の受注や保険料の納付の時期に限って起こることもあります。どちらの場合も、入金までの期間をつなげれば、資金が足りなくなるのを防げます。
ずれが一時的なものか、毎月続くものかによって、使い方も変わります。一時的なら必要な月だけ使い、毎月続くなら取引先との支払い条件の見直しとあわせて考えるとよいでしょう。
一方で、売上そのものが足りずに支払いが難しい場合は、支払いを延ばしても根本的な解決にはなりません。請求書カード払いは、入金の見込みがあるときのつなぎとして使うのが基本です。請求書カード払いが役立つのは、主に次のような場面です。
売掛金の入金より先に仕入や外注費を払うときに支払いを延ばせる
よくあるのが、売掛金の入金より先に、仕入代金や外注費の支払期日が来るケースです。たとえば、売上は「月末締め翌々月末払い」で回収し、仕入先には翌月末に払う契約だと、1か月分の資金が足りなくなります。
このような時期のずれは、請求書カード払いで支払いを延ばすと埋めやすくなります。売掛金が入ってからカードの引き落とし日を迎えられれば、手元の現金を減らさずに済むでしょう。大口の受注で仕入が一時的に膨らむときにも、同じ考え方で使えます。
使うときは、売掛金の入金日とカードの引き落とし日の順番を確かめておくことが大切です。入金より先に引き落とし日が来てしまうと、支払いを延ばした意味が薄れ、口座の残高不足にもつながります。決済の前に、引き落とし日までに入金される見込みがあるかを確かめておきましょう。
すでに買掛金を払えない状況になっている場合は、取引先への相談など、早めの対応が欠かせません。
社会保険料や労働保険料も対応サービスならカードで納付できる
社会保険料や労働保険料は、まとまった金額を決まった時期に納める必要があり、資金繰りの負担になりやすい支払いです。労働保険料の年度更新の時期や、賞与を支給した月は、納める額がさらに大きくなります。
請求書カード払いのサービスの中には、社会保険料や労働保険料の納付に対応しているものがあります。ゆとりペイでも法人であれば利用でき、社会保険料は納付書による納付が対象です。
社会保険料は毎月納める必要があり、納付が遅れると延滞金がかかることもあります。売上の入金を待てない月でも、カード払いにしておけば期日どおりに納付しながら、現金が出ていく日を後ろへずらせます。その分の現金を、事業の運転資金に回せるでしょう。
なお、対応しているかどうかや、対象となる納付の方法はサービスごとに異なります。ゆとりペイの場合、個人事業主の社会保険料・労働保険料の納付は対象外のため、申し込む前に確かめておきましょう。
建設業・飲食店・フリーランスは入金と支払いの時期がずれやすい
請求書カード払いは、入金と支払いの時期がずれやすい業種で特に役立ちます。どの業種でも、ずれが生じる時期を前もって把握しておくことが大切です。代表的な例を見てみましょう。
- 建設業:工事代金は完成後にまとめて入金されることが多い一方、資材費や協力会社への外注費は工事中から支払いが発生します。
- 飲食店:食材の仕入は毎週・毎月発生し、季節や天候で売上が落ちた月は支払いが重くなりがちです。
- フリーランス:報酬の入金が納品の1〜2か月後になる一方で、外注費や機材費などの支払いが先に来ることがあります。
ほかにも、外注費を先に払う制作会社や、在庫を抱える小売・卸売業なども、入金と支払いの時期がずれやすい業種です。自社の入金と支払いの時期を書き出してみると、どの月にずれが大きくなるかが分かり、請求書カード払いを使うタイミングも見えてきます。
ファクタリングやビジネスローンと違い出ていくお金を遅らせる
資金繰りの手段には、請求書カード払いのほかにファクタリングやビジネスローンもあります。それぞれの特徴を比べると、次のとおりです。
| 項目 | 請求書カード払い | ファクタリング | ビジネスローン |
|---|---|---|---|
| 費用 | 決済手数料(ゆとりペイは2.9%) | 売掛金の買取手数料(条件により大きく異なる) | 借りた額に応じた利息 |
| 資金が使えるまで | 最短即日(支払いを延ばす形) | 最短即日〜数日が多い | 数日〜数週間かかることもある |
| 審査の対象 | 自社(カードの利用枠の範囲で利用) | 主に売掛先の信用 | 自社の業績や信用 |
| 借入になるか | ならない | ならない(売掛金の売却) | なる |
| 向いている場面 | 支払いを先に延ばしたいとき | 売掛金を早く現金にしたいとき | まとまった資金を長く借りたいとき |
請求書カード払いは「出ていくお金を遅らせる」方法、ファクタリングは「入ってくるお金を早める」方法です。ビジネスローンは、借りたお金を少しずつ返していく方法になります。
目の前の支払いを乗り切りたいだけなら、請求書カード払いが手軽です。売掛金があり、カードの利用枠では足りない金額が必要なときは、ファクタリングも選択肢になるでしょう。設備投資のように大きな資金が長く必要な場合は、融資を検討するのが一般的です。
どの方法にも費用がかかるため、必要な金額と期間、手元に売掛金があるかどうかを整理してから選ぶことが大切です。少しの間だけ支払いを延ばせば足りるなら請求書カード払い、長い期間にわたって資金が足りない見込みなら融資というように、目的に合わせて組み合わせる方法もあります。
請求書カード払いの使い方をゆとりペイの申し込みの流れで解説
ここからは、ゆとりペイを例に、実際の使い方を紹介します。ゆとりペイは、取引先への請求書の支払いをクレジットカードで行える請求書カード払いのサービスです。
手数料は2.9%(非課税)で、初期費用や月額費用はかかりません。支払いは最大60日ほど延ばせ、法人であれば社会保険料や労働保険料の納付にも使えます。
請求書カード払いのサービスは数多くありますが、基本的な使い方はどのサービスでも大きくは変わりません。ほかのサービスを検討している場合も、申し込みから振込までの流れをつかむ参考にしてください。
申し込みはWebから行え、法人なら書類の提出も不要です。初めて使う場合も、画面の案内に沿って入力していけば、最短即日で取引先への支払いまで進められます。以下では、申し込みに必要なもの、申し込みから振込までの流れ、サービスを選ぶときに比べたい点の順に説明します。
申し込みは法人なら書類不要で個人事業主は本人確認書類が必要
ゆとりペイの申し込みに必要なものは、法人と個人事業主で異なります。
- 法人:書類の提出は不要です。
- 個人事業主:顔写真付きの本人確認書類の提出が必要です。
このほか、決済に使うクレジットカードと、支払いたい請求書を手元に用意しておきましょう。使えるカードは、VISA・Mastercard・JCB・セゾンカードです。
支払い先は、日本国内の法人か、適格請求書発行事業者の登録がある個人事業主に限られます。インボイスの登録がない個人の外注先などには使えないため、請求書に登録番号が書かれているか前もって確かめておくとスムーズです。なお、アカウントの審査は株式会社インフキュリオンが行います。
審査が終わるまでは決済ができないため、支払期日が近い請求書があるときは、早めに登録を済ませておきましょう。月額費用がかからないので、アカウントだけ作っておき、資金が足りない月だけ使うこともできます。
新規登録から審査を経て取引先への振込まで最短即日で進む
申し込みから取引先への振込までは、次の流れで進みます。
- 申込ページでメールアドレスを入力し、無料で新規登録する
- 会社や事業の情報を入力する
- 株式会社インフキュリオンによるアカウントの審査を受ける
- 請求書の内容と振込先を登録し、カードで決済する
- ゆとりペイから取引先の口座へ代金が振り込まれる
申し込みから最短即日で使い始められ、取引先への振込も最短即日(3営業日以内)です。支払期日が迫っているときでも、間に合う可能性があります。
2回目以降は、手順4の請求書の登録と決済だけで支払いができます。決済のたびに会社や事業の情報を入力し直す必要はありません。
初期費用や月額費用はかからず、かかるのは決済のときの手数料だけです。手数料は自社で負担するほか、取引先の負担を選ぶこともできます。取引先の負担にすると請求金額から手数料を引いた額が振り込まれるので、事前に取引先の同意を得ておきましょう。
サービスは手数料率や最低手数料と対応カードを比べて選ぶ
請求書カード払いのサービスは、ゆとりペイのほかにも数多くあります。自社に合ったものを選ぶときは、次の点を比べるのがおすすめです。
- 手数料の率と、税別か非課税か
- 少額の支払いでの最低手数料
- 使えるカードのブランド
- 社会保険料や労働保険料など、払いたいものに対応しているか
- 取引先への振込のスピード
毎月の支払い額が大きい会社は手数料の率を、少額の支払いが多い会社は最低手数料を重視するとよいでしょう。使いたいカードのブランドに対応していなければそもそも使えないため、ブランドの確認も欠かせません。
比べるときは、ここ数か月の支払いを見直し、カードに回したい支払いの金額と件数を書き出してみると判断しやすくなります。複数のサービスに登録しておき、支払いの内容によって使い分ける方法もあります。各社の条件は変わることがあるため、申し込む前に公式サイトで最新の手数料や対象の支払いを確かめましょう。
請求書カード払いの違法性や個人事業主の利用などよくある質問
- 請求書カード払いは違法ではありませんか?
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請求書カード払いは、サービス会社が利用者に代わって取引先へ代金を払い、その代金を利用者がカードで決済する仕組みのサービスです。カード会社や銀行のグループが提供しているものもあり、企業間の支払い方法のひとつとして使われています。
ただし、カード会社の規約で、こうした決済への利用やポイントの付与を制限しているカードもあります。使う前に、自社のカードの規約や利用条件を確かめておくと安心です。
- 個人事業主でも使えますか?
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多くのサービスは、法人だけでなく個人事業主も利用できます。ゆとりペイも個人事業主の方が利用でき、申し込みには顔写真付きの本人確認書類が必要です。なお、社会保険料・労働保険料の納付は法人のみが対象で、事業に関係しない私的な支払いには使えません。
- 分割払いやリボ払いはできますか?
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分割払いやリボ払いに変えられるかどうかは、カード会社やサービスによって異なります。カード会社のサービスで後から支払い方法を変えられる場合でも、別に手数料(金利)がかかるため、負担はさらに大きくなります。使う前に、カード会社の条件を確認してください。
- インボイス(適格請求書)は誰が出しますか?
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取引の適格請求書は、これまでどおり取引先(請求する側)が発行します。請求書カード払いは支払い方法をカードに変えるだけで、取引の中身は変わりません。仕入税額控除も、取引先から受け取った適格請求書にもとづいて行います。なお、ゆとりペイでは、支払い先が個人事業主の場合は適格請求書発行事業者であることが条件です。
- 審査に落ちることはありますか?
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あります。請求書カード払いでは、サービス会社が利用者の審査を行います(ゆとりペイの審査は株式会社インフキュリオンが担当)。審査の基準は公開されていないのが一般的です。また、審査に通っても、カードの利用枠を超える金額は払えません。カード会社の判断で決済が通らないこともあるので、支払期日には余裕を持って手続きしましょう。